耳あか

耳あか

耳あかは空気中のほこりや皮膚の残骸が、外耳から分泌される分泌物と混ざり合うことで生成されます。種類としては湿っているものと乾いているものがあります。
自分で耳を掃除すると耳あかを誤って奥の方へ押し込んでしまうことが多く、無理して奥の方まで掃除すると、知らず知らずのうちに耳の薄い皮膚が傷ついてしまい、そこから雑菌が入りこんで炎症の原因になってしまいます。特に幼少期は皮膚が弱いので注意が必要です。

耳あかは鼓膜表面にこびりつき、親が見た感じは、あたかも鼓膜全体が耳あかに見えてしまうことも多く、お子様の耳あかとりは耳鼻咽喉科で3~4ケ月に一回ほどの定期的除去をお勧めしています。同時に、症状がほとんどでてこない滲出性中耳炎の有無のチェックにもつながります。お子様の外耳道は大人と違い湾曲していますので、カーブのところで綿棒の先だけ取れてしまってり、綿棒がひっかかって取れなくなってしまうこともあります。また、耳掃除中に、犬がじゃれついたり、子供が手をついたりしてしまい綿棒が鼓膜にささってしまうこともあり、自宅での耳掃除はあまりお勧めしていません。

鼓膜の表面では常に細胞が動いており、耳あかが自然に落ちていく仕組みになっています、しかし、子供の外耳道は湾曲しているため、大人と違い耳あかがたまりやすい構造になっています。たまった耳あかによる湿疹、外耳炎などの影響で、さらに大量に耳あかが溜まることもあります。そのときは無理して取ろうとせず、病院で診てもらった方が安全です。

耳あかは病気の兆候として溜まることがあります。その一部をご紹介します。

耳あか栓塞

耳あか栓塞

耳あかが大量に溜まって固まりとなることで穴がふさがり、難聴、耳鳴り、自声強聴(自分の声が大きく聞こえてしまうこと)といった症状がでます。またまれに、のどや胃に違和感を感じることがあります。高齢者になると、耳あか栓塞に気付かず放置してしまう人がいます。難聴の原因となっていることがあるので、耳あかが溜まりすぎていないかチェックすることが必要です。

治療はシンプルで、耳鼻咽喉科でたまった耳あかをとってもらうことで症状が改善されます。また、大きすぎたり、外耳道にしっかりとついているときは「耳あか水」で耳あかをやわらかくふやかしてから取り除きます。

外耳道湿疹

先述したように、外耳道の皮膚は薄く、耳掃除のしすぎで皮膚表面を守ってくれている耳あかまで取りすぎてしまい、湿疹ができることがあります。湿疹ができるとより痒くなったり黄色の分泌物が出るといった症状が出ます。
また、傷ついた表面にカビや細菌が入り込み外耳炎となってしまうことがあります。
治療としてはステロイドの軟膏を患部に塗ったり、抗生剤や抗真菌剤を用いて炎症の原因を取り除きます。
頻繁にいじりすぎると外耳に炎症が起こりますが、3~4ケ月に1回ほど、定期的に耳鼻咽喉科を受診する時間を設けてみましょう。

耳あか